RSD

 医学の世界は日々進歩していますが、未だに効果のある治療法がない、診断も難しい病気が存在します。反射性交感神経性ジストロフィーも、そのひとつです。反射性交感神経性ジストロフィーは、略してRSDと呼ばれています。

 この病気は、周囲に理解されず、誤診されやすいことでも知られています。RSDの症状は、人によって様々です。患部が腫れて、皮膚が変化し、骨の委縮があるケースもあります。また、焼けるような激しい痛みがあったり、軽く触れただけでも過敏な反応があったり、異常なくらい汗が出たりすることもあります。RSDの症状は、だいたい3段階に分かれています。1段階では、傷を受けた場所に痛みがあり、関節のこわばりや血管の収縮があります。2段階は、痛みがさらに増して、腫れが広がり、骨の委縮も目立つようになり、筋肉も委縮して動きが制限されます。3段階は、皮膚が変化して、痛みが悪化し、動きがかなり制限されてしまいます。RSDを放置したままでいると、障害が慢性化する恐れがあります。

 障害が慢性化すると、機能障害が起こり、二次的な異常が生じることもあるので、できるだけ早く診断して、適切に対処することが大事です。RSDは、救急病院でもよく見られる障害ですが、原因の究明はなかなか進んでいない状態で、現在でも医学的な治療法が確立されていない状態です。RSDの進行状況や機能の状態で治療法が変わってくるので、正しく評価することが重要なのです。